島津荘水流百景-017 / 甲斐元町
2017年12月23日
- 都城盆地、葉脈の如き数多くの水の流れでこの地の景が作られていたのではないか。
- 私はそんな想いが日に日に増しています。
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- その想いに至った理由については簡単ではあるけれど次の記事に記したので、宜しければどうぞ。
- ● <休憩一服> 都城の「幕末の道」を今の地図に落してみた
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- ということで、都城を離れて数十年、時を失した感もありますが、
- ここ都城(島津荘)の街中で見られる水流の景色を少しづつでも記憶していきたいと思います。
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※クリックで拡大 「 1200*800 」 : 姫城川超しに南東方向を見る
江戸時代に入り一国一城令が出される。それまで盆地の西丘陵部都島にあった都城の城は、現在の市役所のある場所へと下りて来ることとなり、領主邸として構えられた。
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日本全国、平城といえど防御は構えねばならぬ。出来れば三方、二方と自然の要塞化された地が有難いのだが、そんな「ごっつぁんです」な土地など夢の夢。そこで少なくとも一方だけは、の土地を探し出し殆どの平城は造られるのだ。
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都城領主邸も南に流れる姫城川を活かし、少々小高くなっているその北側に居を移す。
江戸時代、現在の市役所横の国道10号線に当たる道は存在していない。
上段にもリンクを貼っているが、 ● <休憩一服> 都城の「幕末の道」を今の地図に落してみた
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また昭和初期(昭和6年12月)に市が編纂した地図もあるので見てみると、
北から伸びてきた「高岡筋往還」は、今の明道小学校にぶつかる形でT字路となっている。
地図を見てもらうと、市役所の南東に姫城川が南側に大きく廻り込んでいる場所があるのが判るだろうか。何故ここだけ大きく張り出しているのかと言えば、ここに小高い山、丘と言った方がいいのかな、があったからだ。
今は公園となっているが、私の小学校時代には大きくシラスを削り取ってはいたがまだ山の残形があった。
ここで敵味方のニ陣に分れシラスを丸めて投げ合って遊んでいたことを覚えている。
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当時その南側には姫城町公民館もあった。姫城川沿いの道からそこに上ってくる小さい坂道があって、
そんな道、都城ではなんとも珍しく不思議な感覚がして好きであった。
おそらくここいら一帯の地面の下はシラス台地が拡がっているのだろう。しかしそのような地でも地上では鬱蒼と竹が密生していたのではなかろうか。今でも市役所からほんの数分の処を流れる姫城川を覗くと、そんな情景を想像できるのが私には楽しい。
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この平成の世までなんとか乱開発を逃れて来たんだ。このまま無くならずに残って欲しい。
と、他人がどうこう言えるものではないですが、街の中心地でこれは本当に貴重です。よくぞ、という感慨も。
もし手を入れられる時が来ても、是非この風情を残して頂ければと切に願うものです。
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Posted by Kashiwa★da at 16:00 | Comments(0) | Photo / 島津荘水流百景
島津荘水流百景-016 / 上川東
2017年12月17日
- 都城盆地、葉脈の如き数多くの水の流れでこの地の景が作られていたのではないか。
- 私はそんな想いが日に日に増しています。
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- その想いに至った理由については簡単ではあるけれど次の記事に記したので、宜しければどうぞ。
- ● <休憩一服> 都城の「幕末の道」を今の地図に落してみた
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- ということで、都城を離れて数十年、時を失した感もありますが、
- ここ都城(島津荘)の街中で見られる水流の景色を少しづつでも記憶していきたいと思います。
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※クリックで拡大 「 1200*800 」 : 水路の袂に巨木が
一本の大きな木が、欅っぽいな、水路に影を落としている。
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この風景、前回取り上げた祝吉(郡元町)に流れる用水路「祝吉ホタルの里」の下流である。それも旧高木原用水路の高架下を潜り、西に僅か100m程の処に当たる。
旧高木原用水路の高架から東が、「祝吉ホタルの里」である。
東はその旧高木原用水路、西は10号線、北は沖水川、南は前回記事でも触れた沖水川の河岸段丘に囲まれた土地だが、10号線沿道には物販やホテル等の商業施設が、南側の段丘上には家屋が立ち並んでいる為もあって遺憾ながらこれまでここの存在を眼にしたことがなかった。
※クリックで拡大 「 800*1200 」 : 水面に程よい影を落している。
驚いた、と言うより嬉しくなったのは、そこに休息場のような心地よい設えが施されていたことだ。日本各地の街中を流れる水路に於いては多々見受けられる設えではあるけれど、田んぼのなかにポツンとある景はまた格別のものがある。
コの字型コンクリートで固められた水路の殺風景はなぁ、どうにも潤いがないもんねぇ。
残念なことに、ここから十数メートル下るとそんな風景になってしまっている。実に勿体無いことだ。
島津荘、昔はあちこちにこういう設えを有していたのであろうか? だとすれば、また拡がる田畑の中に樹木がポツポツの風景なんて限りなく素晴らしい景観ではないか。
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是非そんな島津荘に再生してもらって、この地を日本一の田畑風景にしてもらいたいもんだ。
※クリックで拡大 「 1200*800 」 : 一服の清涼親水空間
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Posted by Kashiwa★da at 16:00 | Comments(0) | Photo / 島津荘水流百景
島津荘水流百景-015 / 祝吉(郡元町)
2017年11月17日
- 都城盆地、葉脈の如き数多くの水の流れでこの地の景が作られていたのではないか。
- 私はそんな想いが日に日に増しています。
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- その想いに至った理由については簡単ではあるけれど次の記事に記したので、宜しければどうぞ。
- ● <休憩一服> 都城の「幕末の道」を今の地図に落してみた
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- ということで、都城を離れて数十年、時を失した感もありますが、
- ここ都城(島津荘)の街中で見られる水流の景色を少しづつでも記憶していきたいと思います。
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※クリックで拡大 「 一枚目:1200*800、二枚目:1200*800)」 : ここは昔懐かしき用水路
冒頭に書いている通り、いつからかこの地にあったであろう水の流れを想像するようになった。
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盆地である。人工的護岸で固められる以前、周りの山々から流れ出てくる水はこのシラスで覆われてしまった擂り鉢の中でどのような流れを描いていたのだろうか。私の興味はそこにあるし、実は将来の都城「水流」理想像も素直にそこにあった姿への回帰、再生ではないのかとの感触もある。
川に関心が向いたのは故郷を出て初めて住んだ町が京都だったことにある。
同じ盆地なのに川の景観が全く違ったからだ。街の中心を流れる鴨川にも洛西の桂川にも堤(土手)がない。
これは気になる。 と言うことから、それからは行く先々の川の様子は必ず確かめるように。
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賀茂川には堤があるじゃないかって? でもあれは、付け替えて鴨川に合流(Yの字に)させたため。
この付け替えの事実は堤のある川が生まれる答の一つで、眼から鱗だった。
これまで何か所か見てきて判るように、町に葉脈の如く存在していた古の「水流」は治水工事を重ねる中でほとんどがその姿を消失してしまっている。あるものは消え、あるものは暗渠へと姿を変えて。
ところが、嬉しいことにこの地にもまだ「島津荘」を彷彿させる「水流」が残されている。ここは市街地(の近場)での唯一の救い、「島津荘」の良心と言ってもよい。

※クリックで拡大 「 800*1200 」 : 河岸段丘の足元を
祝吉は「島津荘」の治世の中心地だった処である。その北側には鰐塚山麗に源を発した沖水川が流れる。
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あと 1km 程も下れば大淀川に合流するのだが、面白いのはここに少し上流の三股町から 3m~程の河岸段丘が見られることだ。
現在の沖水川左岸(南側)は堤で流れを押えられているのだが、
元は洪水時は特に、この段丘部まで水が押し寄せていたことが伺われる。
「島津荘」の良心はその段丘の足元に流れる。現地に農業用水路との説明はあるのだが、この流れの正式名称は全く知れない。ホタル生息地として大切に守られていることから「祝吉ホタルの里」の名だと通りがいいようだ。
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用水路とあるが全く何もない処に流れを通したものとは思えない。沖水川とこの段丘の間に有した小さな流れをこの段丘下に整えたもののような気がしてならない。ともあれ、実に誇らしい水の流れである。

※クリックで拡大 「 800*1200 」 : 横断する道との交わり部に親水空間
東から西に流れる用水には数か所南北に道路が横断しているのだが、そこには流れに触れる設えが見える。昔は町のあちらこちらに似たような設えが見られたのであろうか?いついつまでも残しておきたい貴重な遺産だ。
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小さくではあるが、下の写真の右側に田の神(たのかんさぁ)も見えている。

※クリックで拡大 「 800*1200 」 : ここにも奥に階段の設えがある
東は国道269号の少し入った場所から西は元高木原用水路(現在は道路)の高架橋下までの凡そ1.2km。
北には沖水川があり、段丘が北に落ちている故に街からは見えぬ隠れたことが幸いしたのだろうか、秘密の隠れ家。
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暑い夏の散歩にも持ってこいだったが、ホタルが乱舞する季節はまた見事なのだろう。


※クリックで拡大 「 800*1200 」 : 水のざわめきときらめき
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Posted by Kashiwa★da at 17:00 | Comments(0) | Photo / 島津荘水流百景