住民の殆どの人が景観イメージを共有している街・町に行くと羨ましいと言うより、私は少々悔しくもあります。
またそういった街・町が全国いたるところに存在しているのですから、尚更心穏やかではいられません。
- 「 都城らしい和風 」 と言う捉えどころのないキーワードでは、そういった街・町の中に埋没してしまうでしょう。
それには 「和風 」 というテーマを押えつつも、
その街にしかない「何か」を重ね合わせること 。
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その 「 何か 」 は、それが 「 緑 」 であったり、「 祭り 」 であったり、「 食 」 であったり様々でしょうが、
結局のところ、それらを積み重ねて独自の景観、「 都城らしい景観 」 を創るしか手はないのです。
- 「 都城の緑 / 自然風景 」 「 都城の祭り 」 「 都城の食 」 を 「 和風 」 と絡めていかねばなりません。
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が、その前に一つ。 ・・・ 都城の街には他にない持ち駒があることを忘れてはいけません。
昭和の時代を彩った
「 都城市民会館 」 の存在 。 この駒を無にしてはなりません。
- 天守閣にも勝るとも劣らないと、ここはポジティブに考えたいものです。
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Google 画像検索 「 都城市民会館 」
紆余曲折あったようですが、幾多の方々が尽力でなんとか解体を免れたようでホッとしています。
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都城市民会館を緊急に考える
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都城市民会館 - Wikipedia
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都城市 > 市民会館の今後の方策について
- もはや施設的機能の面では厳しいものがあるでしょうし、
- 時に文化的価値だけを強調されても、この期に一地方自治体にあっては余計なお世話とも言えます。
今、私はその
日本のどこにもない造形の破壊的なインパク トに価値 を見出したいのです。
- 日本のどこにもないその造形インパクトは、今後日本のどこにも二度と生まれてこないもの。
- そして都城の街には、それが既に手の内にあるという現実。
よって都城の求める景観については、次のように表すことが可能でしょう。
「 都城市民会館 」 × 「 都城市らしい風格のある和風の街なみ 」
このシンプルな仕掛けこそが都城ならではの和風景観を創りだす活路だと確信します。
都城の街は 「 都城市民会館 」 を孤立させるべきではありません。
- むしろ本質的には 「中心」 でさえあると言ってもいいのです。
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そして、その式から私が出した答えが
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「 都城市民会館 」 × 「 都城市らしい風格のある和風の街なみ 」 = 「 櫓 」
でした。 私は市民会館の造形に、「櫓」が持つ堅牢性と人を包み込む抱擁力、象徴性を感じていますから。
クリックで拡大:1520*800pxl
- 「 中町櫓 」 の景観イメージ
クリックで拡大:1520*800pxl - 「 中町櫓 」 の景観イメージ
市民会館が 「 ハリネズミ 」 とか 「 ヤマアラシ 」 と愛称で呼ばれたこと、本来はここに景観の未来を探るべきでした。
- 「総合文化ホール」 や 「ウェルネス交流プラザ」 や 「総合庁舎」 が、
- 「アルマジロ」だったり「モモンガ」だったり「ハリセンボン」だったり、こそっと「クリオネ」とかだったり、
- 或いは 「白鷺」 やら 「烏」 やらだったりしたら、都城の街景観はどうなっていくでしょう!
市民会館の造形の根っこにあるイメージを街中に増殖させていけば、とてもユニークな街が生まれるでしょうに。
その根源的なイメージ ・・・ 言い換えれば 形
を創る切り口が 「 櫓 」 だと私は強く感じています。
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さて最期に、批判を承知の上で当の
「都城市民会館」の今後 について思うことを記せば、
懸念事項である雨漏り・アスベストの問題から解放し、且つ今後も可能な限り保存を担保しようとするならば、
RC躯体と骨格のフレームは残した上で
「 屋根を取っ払うしかないんじゃないか 」 と踏ん切り。
- つまり、
屋外ホールへの転換です。
- ホワイエから客席にアプローチする階段等は囲わなければならないでしょう。
- また客席部の椅子は取り払い、床は雨仕舞いの納まりなども考えねばならぬでしょうが。
或いは屋根は仮設テントに代え弓道場とかに転用できたら、 「おぉぅ都城!」 と膝をバンバン打てるかも。
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