太陽光発電でECO

1-2:「 都城市まちなか活性化プラン 」 を読む

2010年11月28日

前回、偶に帰省する折に感じた私なりの都城の現街景に対する感想を記したわけですが、

 - 疾うに都城を離れた人間に外野からグダグダと言うなのご意見もあるかもしれませんが、・・・

実際に市中で活動されている方々の意見や報告の幾つかもネット上に於いて見聞が可能です。

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しかしそれらを見て感じるのは、総花的並びに具体性に乏しい総論的な話に終始していることです。

 - やはりこういった類の報告書の常というべきか。 何時まで経っても、変わりません。

都市の名を別の名に入れ替えてもさして支障の出ない無難な内容に纏めてあるものの、
それでも端々に記述される 「 現実の都城の課題 」 を窺い知ることができるだけでも貴重な資料と言えます。
・・・
まずは、この 平成20年からの10ヵ年総合計画書 がこちら。

 ○ 都城市総合計画(案) 都城市基本構想・基本計画 ( pdf )

< 都市目標像 > で掲げられている 「 南九州のリーディングシティ 」 というキャッチコピー。
私は始めて聞いた言葉なので新鮮ではあるんだけれど、
境界消滅に向かう今、誰が(何が)どう動けば南九州を括る力を持てるかは悩み甲斐有りって処でしょうか。


  1-2:「 都城市まちなか活性化プラン 」 を読む 都城市総合計画 (案) - 表紙


さて < まちづくりの基本理念 > には、4つの理念が記してある。

 - 行政の判断基準(指針)とも言えるものだ。ちょっとありきたりな内容だけれど、無ければ困るもの。
 - 「 緑あふれるまち 」 は項目として大きく掲げられているが、具体的イメージが全く無さそうで残念。

そんな中で注視すべきは、冒頭の 市民~が・・・まちづくりに参画する必要 の文言。

まちづくりの基本理念  - 都城市総合計画(案) 都城市基本構想・基本計画 より

1●市民が主役のまち
これからは、市民・NPO・企業などが行政と対等のパートナーとしてまちづくりに参画する必要があります。そのような協働のまちづくりのためには、開かれた行政が前提条件となります。
市民が、あらゆる分野において必要な情報を取得できるとともに、市民の提案が施策に反映される仕組みが必要です。そのような環境があって初めて、NPOをはじめとする市民の主体的な活動が活性化します。
また、少子高齢社会にあって女性が積極的に社会参加するためには、男女が性別にかかわりなく、その個性や能力を発揮できる男女共同参画社会づくりが必要です。 さらに、三位一体の改革など厳しい地方財政状況にあって、合併の目的を達成するためには、行財政改革を強力に推進することが大切です。これからは、行政と市民との役割を明確にするとともに、実施する施策が適正に評価され、公表されることが求められています。

 <市民が主役のまち> :基本計画記載
  -  ◆「きょうどう」のまちづくり
  -    市民との協働によるまちづくりの推進
  -    開かれた市政の推進
  -    男女共同参画社会の形成
  -  ◆効率的な行財政基盤をもつまちづくり
  -    双方向性を重視した情報環境の充実
  -    行政の効率化
  -    健全な財政運営

2●ゆたかな心が育つまち
少子高齢社会にあっては、だれもが健康で安心して暮し、子どもを育て、学び・楽しむことに生きがいを感じ、いきいきと生活できることが大切です。
そのためには、一人ひとりの個性が尊重される社会であることはもちろん、充実した福祉サービスや地域で市民がお互いに支え合う仕組みづくりが必要です。 また、心身ともに調和の取れた、思いやりのある子どもを育成するとともに、市民が文化やスポーツや読書にいつでも親しむことのできる環境づくりも求められています。同時に、これまで各地域で育んできた伝統文化を、次の世代に大切に伝えることも重要な取組みです。
そうすることにより、だれもがここに暮らしてよかったと実感でき、このまちに誇りをもつ、輝くまなざしをもった子どもを育てることができるのです。

 <ゆたかな心が育つまち> :基本計画記載
  -  ◆思いやりのやさしい気持ちが支える健やかなまちづくり
  -    医療・救急体制の充実
  -    健康づくりの推進
  -    高齢者福祉の充実
  -    障がい者福祉の充実
  -    子育て支援の推進
  -    地域福祉の推進
  -    社会保障制度の充実
  -  ◆人と人がふれあい、磨きあう、心ゆたかなまちづくり
  -    学校教育の充実
  -    生涯学習・社会教育の充実
  -    図書に親しむ環境づくり
  -    スポーツの振興
  -    芸術文化の振興
  -    歴史と地域文化資源の継承
  -    国際化の推進
  -    人権の尊重
  -    高等教育機関の充実

3●緑あふれるまち
緑は、人の心に潤いと安らぎを与えてくれます。
地球温暖化や河川の汚染など地球規模での環境問題に対応するためには、一人ひとりのライフスタイルや企業活動の見直しとともに、それを継続して実践する運動の積み重ねが求められます。これからは、市民・企業・行政が一体となって、ごみの排出の削減や再利用、省エネルギーの推進など地球に優しい循環型社会を構築しなくてはなりません。
また、第2の自然とも言われる田や畑などの農地や山林などの資源も大切に守っていく必要があります。そのことにより、市民の命の源でもある地下水の保全も可能となります。

 <緑あふれるまち> :基本計画記載
  -  ◆豊かな自然と人が織りなす共生のまちづくり
  -    循環型社会の構築
  -    自然環境の保全

4●活力あるまち
本市が、いつまでも魅力的なまちであり続けるためには、人々が集い、若者がいきいきと働き、基幹産業である農業にも、商店街にも多様な担い手が育つ、そんなまちをつくらなければなりません。 そのためにも、企業誘致はもちろんのこと、地場企業と連携した新しい産業や製品を創出するとともに、生産性の高い魅力ある農業や多様化する消費者のニーズに対応した商業集積を図ることが重要です。 また、今後のまちづくりは、少子高齢社会を前提に取り組む必要があります。中心市街地や地域の商店街の活性化を図るとともに、経済効率の高いまちづくりが求められています。

 <活力あるまち> :基本計画記載
  -  ◆魅力の創造とわきたつ産業のまちづくり
  -    農業の振興
  -    林業の振興
  -    商業の振興
  -    工業の振興
  -    観光の振興
  -    産学官・産業間の連携による新産業の創出
  -  ◆人が交流する安全・安心のまちづくり
  -    魅力ある市街地の整備
  -    住環境の整備
  -    上下水道の整備
  -    交通体系の整備
  -    災害に強いまちづくりの推進
  -    交通・地域安全の推進
  -    消防・救急体制の確立
  -    情報通信基盤の整備


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さて、「 まちづくり 」 は決して街の活性化だけを図るものだけではありませんが、
そうは言っても、住んでいる人間にとってはその中心市街地の風景・情景は精神的な拠り所であるはずです。


  1-2:「 都城市まちなか活性化プラン 」 を読む 都城市まちなか活性化プラン(案) - 表紙


そこで、都市景観・風景・情景等の観点から街の活性化を図るための、より具現的まちづくりプランとして

 ○ 都城市 まちなか活性化プラン(案) ( pdf )

なるものが本年 ( 平成22年 ) 3月に出されている。 ・・・ のだが、その 概要版 なるものもここに。

 ○ 都城市 まちなか活性化プラン(案) 概要版 ( pdf )

 - 現状のデータや分析、課題のの拾い出し等は省略され、将来へのコンセプトや事業項目を記述
 - 但し別人作成のような文言や記述のくい違いもあり、読み手としたら戸惑う部分も多いかな。

その 概要版では、省略された現状分析内容がこの一言で表現 されていて ・・・ これです!

中心市街地活性化基本計画(H11)
 ⇒ 具体的施策の改訂(H16) [ 目標は平成20年度 ]
    ・中心市街地内のハード整備が概ね実施された。
    ・しかしながら、活性化による効果を実感することは出来ていない

 ※ 校正 : ・しかしながら、活性化策 による効果を実感 ~ 。 が正しいです。


ハード事業 は、中区の区画整理事業 をやって、文化ホール を造って、合同庁舎 も造った。

 - そして西駅~広口の道路整備も。これはつい先日 「 ゆずり葉大通り 」 として竣工した様子。

でも 活性化に結びつかない現実 が、報告書冒頭に書いてある意味はかなり重い ですね。


  1-2:「 都城市まちなか活性化プラン 」 を読む 中央東部土地区画整理事業
   - 「中央東部土地区画整理事業」報告書を引用


などと言っても 「 是非これは読んどこう! 」 などと思う人は少ないかもしれませんから、
「 都城市まちなか活性化プラン 」 で触れられている対策プランの概要だけでも書き出しておきましょう。

今後の中心市街地活性化に向けた課題

①●都市施設や地域資源の有効活用(例:まちなかイベント、歴史・文化事業等)
  :整備が完了した都市施設や地域の資源(農畜産品等)を有効活用するソフト面での施策の充実

②●多機能なまちづくり(例:農工商連携事業等)
  :業務機能の充実による雇用の創出、医療・福祉・歴史・文化等の連携による住みよい環境の創出
  :多様な機能の連携に根ざしたコミュニティビジネスの育成による就業者の増加

③●中心市街地の居住者の増加(例:多様な住宅供給と生活支援)
  :中心市街地の利便性を活かした居住者を増やす施策の充実

④●商業機能の魅力向上(例:一店逸品運動等)
  :時代の変化や顧客のニーズに合わせた店舗・商店街づくり

⑤●まちなかを支える人材の育成(例:商人塾、資格取得セミナー等)
  :商店街の後継者やまちなかを担う人材育成のための勉強会や交流の場の創出

※ 以上は全容版より抜出し


都城市まちなか活性化プラン(案) / コンセプト・目標

■まちなか活性化プランのコンセプト
 ● 「 市民主導の多様な機能連携によるまちなか賑わいづくり

■活性化の目標の設定
 目標1●市民が主役で活き活きと活動・交流するまち
 目標2●多様な連携や協働を軸に相乗効果を生み出すまち
 目標3●地域の特色(都城らしさ)、まちなかの資源を活用したまち

■活性化の方針の設定
 方針1●活性化の主役となる人材・組織の育成
 方針2●多機能連携・協働の推進
 方針3●まちなか資源の活用
 方針4●まちなかの弱みの克服
 方針5●生活の場としての魅力の向上
 方針6●働く場としての機能の充実

※ 以上、都城市まちなか活性化プラン(案)概要版より抜出し    ※太字、大文字は勝手に加筆変更している



読むほどに、上で述べたハード事業建設施設もですが、
地場の産業や文化資産 さえも、ソフト施策への展開が暗中模索状態であるという現実が見えてきます。

 - 「 箱もの行政 」 と言われやおら批判の的となるハード事業ではありますが、
 - 箱というハードがなけりゃソフトが生まれ育つ土台もないわけで、問題が 「 箱もの 」 にあるわけではありません。

要は 箱ものを利用するソフトパワー の不在と、
その ソフトパワーを前向きに享受していく受け手ソフトパワー の不在です。

 - 享受と言うのは、例えば 「 芸は客が育てる 」 なんてことで、よく耳にしますよね。

事実、「 活性化プラン 」 ではそういったソフトパワーへの着眼点が対策の核として言及されています。
しかしその一方、「 中心部居住 」 とか 「 商業魅力向上 」 とかも並列で謳われており、これには大きな疑問

 - 言っちゃ何ですが、おそらく何の具体的青写真も持ちえていないことが透けて見えてくるのです。
 - ソフト施策が手探り状態だというのにです。

 「 鶏が先か卵が先か 」 議論より、更に都城の未来への確信が揺らいでしまうのは、
その単純に 「 過去の栄光よ、もう一度 」 な過去回帰への郷愁的問題提示にあります。
・・・
何れにしろ、とにもかくにも 人が蠢いていなきゃ何も生まれない ってことに間違いはありません。

 - ウジャウジャ蠢いていれば、嫌が応にも何かが自然発生します。良い悪いはありますけれど。

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そういった上で、「 まちなか活性化プラン 」 で着眼された事業プランも見てみることにします。

都城市まちなか活性化プランで想定する事業

■目標1 市民が主役で活き活きと活動・交流するまち
  ●便利で楽しいまちづくり支援
   まちなか商店街の活性化のため、起業者の発掘や育成、開業支援、来街者交流のイベント支援等を行う
    ①まちなか起業支援事業
    ②まちなか広場支援事業
    ③レンタサイクル支援事業
    ④まちなか交通網社会実験事業
    ⑤まちづくりコーディネーター設置支援事業
    ⑥コミュニティビジネス支援事業
    ⑦フロンティアイベント支援事業

  ●人が元気なまちづくり支援
   まちのエンジンとなる人材の育成を支援
    ⑧まちなか人材育成支援事業

■目標2 多様な連携や協働を軸に相乗効果を生み出すまち
  ●連携したまちづくり支援
   医療、商業、教育などの異分野連携事業を行う
    ⑨まちなか機能連携支援事業
    ⑩高等教育機関等連携事業

  ●住みたいまちづくり支援
   まちなかの居住人口の増加を目指し、様々な角度から支援を行う
    ⑪まちなか居住支援事業

■目標3 地域の特色(都城らしさ)、まちなかの資源を活用したまち
  ●来る人にやさしいまちづくり支援
   まちなかの駐車場の認知度アップを図るとともに、利用促進のための市民意向の把握を行う
    ⑫まちなか駐車場利用促進事業
  ●情報を共有するまちづくり支援
   中心市街地への多くの集客を図るために様々な媒体を使用して、広く情報発信を行うとともに、
   中心市街地の関係者・機関の情報の共有の場を設置する
    ⑬ランドオーナー会議設置支援事業
    ⑭まちなか情報発信支援事業

  ●食と物産のまちづくり支援
   まちなかに物産を販売する店舗を設置し地場産品のPRを図る
    ⑮物産館整備支援事業

※ 以上、都城市まちなか活性化プラン(案)概要版より抜出し


どんなハードだと人が蠢くんだろう? どんなソフトだと人が蠢くんだろう?
・・・
残念なことに、「 活性化プランの想定事業 」 を見ていても、まだまだ具体的な イメージ / 形 は描けません。
「 日本の一番端っこ (時間軸) 」 と言ってもいい街 です。 さあ、どうしましょう?


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この記事へのコメント
リンクにリンクで、たどり着いてしまいました。

ハード、ソフト、というとつい私は「媒体」と「メッセージ」に置き換えてしまいます。短絡的です(笑)


メッセージ:「日本のいちばん端っこの街が何を伝えるか」

媒体:「日本のいちばん端っこの街をどう伝えるか」

端っこだから○○、
端っこなのに○○(←ギャップのある内容)

という発見ができればなあ~。

どうですか?ちょっと端っこに寄り過ぎましたね(笑)
Posted by 塚本千晃 at 2010年11月29日 00:22
こんばんは。

なるほど、「 what 」 と 「 how 」 のように多視点でものを見ながら勉強せねばなりませんね。
・・・
「 いいものを作ってりゃ売れるんだ 」 の時代が終わったことも痛感しますし。


「 端っこ 」 に関しては、時間的なことより地理的 「 端っこ 」 の方が訴求力があるだけに、
どうなんですかねぇ。
・・・
「 災い転じて福と為す 」 となればいいんでしょうけどね。
鍵は 「 時間 」 なんでしょうかね。 まだ勉強の途中です。
Posted by Kashiwa★daKashiwa★da at 2010年11月29日 17:35
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